■3本までのバーをひとつの切開創から入れることができる
一般的なナス法では、バーを3本入れる場合は、左右でそれぞれ3カ所切開する必要がありますが、筋層下ナス法では筋層を剥離する範囲を広げることで、3本までのバーを、左右それぞれひとつの切開創から入れることができます。
■乳輪切開をすれば傷口が目立たない
男性であれば、症状によっては乳輪のそば(皮膚と乳輪粘膜組織の境目)を切開することで、傷口をかなり目立たなくすることも可能です。
筋肉が厚い部分なので、これは皮下にバーを入れる一般的なナス法では筋肉が壊死してしまう恐れがあり、できないことです。
■手技自体の死亡リスクがゼロ
筋層下ナス法の手技自体の死亡リスクはゼロです。
これに対して一般的なナス法では、前胸壁と心膜を剥離する際に胸腔鏡を見ながら電気メスで剥離するわけですが、以前手術中に心臓を損傷したケースがあったため、手術の前に心臓の損傷に対するリスクの説明を必ず受けることになります。
これに対して筋層下ナス法では、前胸壁と心膜を術者が指先で敏感に感じながら剥離(鈍的剥離)していくため、とても安全に剥離することができます。
当院では、心損傷のリスクは必要がないのでご説明していません。
ただし麻酔の危険性だけは.どちらの漏斗胸手術でも1回目3〜4000分の1、バー抜去時10,000分の1あります。