国の医学研究・開発の司令塔となる日本医療研究開発機構(AMED)は新年度から、医薬品などに関する臨床研究の統計を専門的に取り扱う「生物統計家」の人材育成を始める。
臨床研究では、研究計画の作成やデータ分析に統計学が用いられる。しかし、生物統計家は人材が不足しており、高血圧治療薬の研究データ改ざんが起きた一因とも指摘されている。
構想では、関係省庁や製薬業界、学会関係者などの有識者を集めた「生物統計家人材育成プロジェクト会議」をAMED内に創設し、育成プログラムなどを検討する。
新年度中にも、臨床研究の拠点となっている大学と病院の計4施設程度に、生物統計家を育成する専門講座を設置。5年間で50〜100人程度の育成を目指す。大学院生や医師、企業の開発担当者などの受講を想定している。
講座の運営経費は、国と業界団体「日本製薬工業協会」が出す予定。同協会は、初年度分として2億円を用意しているという。